ハローワークは転職活動には役立たない?
ハイレベルな転職を目指す方の中には、「ハローワークは転職活動には向いていない」と思っている方も多いのではないでしょうか?
確かに、ハローワークでは自分にぴったりの求人案件を見つけるのは難しいかもしれません。
しかし、実はハローワークでの転職相談は見逃せないサービスの一つです。
ハローワークでは、求人情報の検索や応募だけでなく、専門の窓口で転職相談も行えます。
実際、ハローワークで転職相談を受けたことがある方は意外と少ないのではないでしょうか。
筆者は40代と50代でそれぞれ2回ずつ転職活動を行いました。
その際、求人案件の探索には転職エージェントを利用しましたが、転職相談にはハローワークも利用しました。
私がハローワークの相談窓口を利用した経験をもとに、わかりやすく解説します。転職に悩んでいる方は必見です。
転職相談ができるハローワークとは?
ハローワークは、職業紹介事業を行う公的な機関です。
正式名称は「公共職業安定所」です。
国によって運営されています。
利用は無料です。
全国の求人情報を閲覧できます。
転職相談におけるハローワークと転職エージェントの違いとは?
転職エージェントは営利企業が運営しています。
ハローワークは公的な機関です。
企業側から見ると、
- 転職エージェントには成功報酬が発生します。
- ハローワークを通じた採用には費用がかかりません。
- 転職エージェントのキャリアアドバイザーは、企業の求める人材を紹介し、その成功報酬を得るプロフェッショナルです。
あなたが企業にとって望ましい人材であれば、エージェントは積極的にサポートしてくれるでしょう。
一方、ハローワークの相談員は企業の利益に縛られることなく、あなたのキャリアに焦点を当てたアドバイスを提供してくれます。
ハローワークでの転職相談の手順
最寄りのハローワークを確認する
転職活動や失業保険の申請は、原則として居住地を管轄するハローワークで行う必要があります。
最寄りのハローワークは、厚生労働省のウェブサイト「全国ハローワークの所在案内」で確認できます。
初めてハローワークを利用する際は、最寄りの施設を確認しておくことが重要です。
意外と知られていないのですが、仕事探しや職業相談は全国どこのハローワークでも対応してもらえます。
ハローワークでの求職者登録
まずは、求職者としての登録を行います。
受付で手続きを行えば、必要な流れを丁寧に案内してくれます。
受付のスタッフはとても親切です。
登録後にはハローワークカードを受け取ります。
すでに退職していて失業給付の手続きを済ませた方は、定期的にハローワークに通う「認定日」が設定されます。その際に、併せて転職相談を受けると良いでしょう。
ハローワークで転職相談を申し込む
受付で「転職相談をお願いしたい」と伝えるだけでOKです。
ハローワークの相談は事前の電話予約が不要で、いつでも対応してもらえます。
相談は、どのハローワークでも受けられるため、通いやすい場所を選ぶことができます。
受付では「番号札」を渡され、番号が呼ばれるまで待機します。待ち時間はその日の状況によって変わります。
ハローワークの転職相談には履歴書・職務経歴書を持参することを推奨
転職相談に行く際には、履歴書や職務経歴書を持参するのがおすすめです。
ハローワークでは個人情報保護の観点から書類を預かることはありませんが、これらの書類があることで相談員があなたの経歴を理解しやすく、より的確なアドバイスが受けられる可能性が高まります。
ハローワークを利用するメリット
豊富な求人数
ハローワークの最大の利点は、その膨大な求人数です。
企業側は無料で求人を掲載できるため、採用コストを抑えたい中小企業が多く利用しています。
中にはハローワークにしか求人を出していない企業もあり、転職エージェントや転職サイトでは見つからない企業に出会える可能性があります。
地方の求人に強い
特に地方では、民間の転職エージェントよりもハローワークの方が求人を見つけやすい場合があります。
ハローワークは、地元企業の求人を多く取り扱っており、全国にある540以上の拠点が一つのネットワークで繋がっていることも強みです。
また、近所で働きたいという希望がある場合にも非常に便利です。
ハローワークは何度でも無料で転職相談が可能
転職活動を一人で進めると、悩むことが多くなりがちです。
しかし、転職に関する相談相手は意外と少ないものです。
転職エージェントとは、いつでも好きなタイミングで話すことは難しいでしょう。
そんなとき、ハローワークの相談員に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが整理されることがあります。
中には優秀な相談員もおり、役立つアドバイスが得られることもあります。
ハローワークは在職中でも転職相談ができる
意外に思われるかもしれませんが、ハローワークでは在職中でも転職に関する相談が可能です。
実際、退職していない状態でも気軽に利用できることが魅力です。
職務経歴書の添削相談も提供される
職務経歴書の添削相談は特におすすめです。
私が相談に行った際、専門の担当者がいて、翌週の予約を取ることができました。
その結果、転職エージェントよりも深いアドバイスをいただきました。
ハローワークのデメリット
求人案件の質に期待できない
ハローワークでは、求人の掲載が無料であるため、採用にコストをかけられない中小企業の求人が多く見られます。
国民全体の就労を支援する公的機関であるため、スキルがそれほど高くない人でも応募できる求人やパートの求人が多く含まれています。
また、求人内容の審査が必ずしも厳密に行われていないため、求人票に記載された内容と実際の労働条件が異なる場合もあります。
注意が必要なケースとしては、以下のようなものがあります。
- 求人票には「残業なし」と記載されていたが、実際にはサービス残業がある。
- 求人票に記載された給与や賞与が実際とは異なる。
- 求人票にあった通勤手当やその他の手当が支給されない。
- 求人票に「週休2日」と書かれているが、実態と違う。
- 求人票に書かれた業務内容が、実際に行う業務とは異なる。
また、以下のようなフレーズが含まれる求人票には注意が必要です。
- ノルマなし!
- 残業なし
- 未経験から高収入
- 業務拡大につき、未経験者大歓迎
- 年間休日105日
- 大量募集
- 幹部候補生募集
相談員の対応にばらつきがある
ハローワークの相談員の対応には、ばらつきがあります。
担当者が特定の職種や業種に関する専門知識を持っていないこともあり、キャリアのプロフェッショナルとは言えない場合もあります。
単なる窓口対応に留まる職員もいるため、期待通りのアドバイスが得られないこともあるでしょう。
ハローワークと転職エージェントを効果的に活用しよう
民間の転職エージェントでも、担当者の対応には差があります。
実際のところ、ハローワークの相談員の中にも、有益なアドバイスをくれるプロフェッショナルがいます。
中には、転職エージェント出身のベテラン相談員も在籍しており、無料で何度でも相談できるため、良い担当者に出会うまで何度か試してみることをおすすめします。
ただし、求人の探し方としては、転職エージェントの利用が主流となります。
転職活動は、まず転職サイトや転職エージェントに登録するところから始まります。
特に、転職エージェントから紹介される「非公開求人」に応募することが転職活動の進展に欠かせません。
「非公開求人」を紹介してもらうためには、以下の方法が有効です。
- 自分に合った転職エージェントに登録する
- ヘッドハンティング型の転職サイトに登録し、その中で転職エージェントからヘッドハンティングされる
それぞれの転職エージェントや転職サイトは、提供するサービスの特性や強みが異なります。
得意とする年収のレンジ、職種、業界、年齢層、そして対象とするターゲット層も様々です。
登録して実際に利用することで、自分との相性がより明確になります。
時には、自分に合わないサービスもあるでしょう。
しかし、多くの転職サービスに登録しないと、理想の求人案件に出会うことが難しくなります。
登録は無料ですので、複数の適切な転職サイトや転職エージェントに登録し、活用することが成功への鍵となります。
どのサービスが自分に最適かは、実際に使ってみることで初めてわかるものです。