Q. 転職を考えているけれど、みんなはどんな基準で決めているのかな？
好きな仕事かどうか？それとも給与面？何を重視すれば良いのか知りたいです。
A. 転職を決意するには、さまざまな理由や気持ちがあるはずです。しかし、転職への意欲だけでは成功しません。まずは行き先の企業を慎重に選ぶことが重要です。
転職先を選ぶ際に知っておくべきポイントをしっかり押さえておくことが、スムーズな転職への第一歩となります。
今回は、企業選びにおいて知っておきたい重要なポイントをいくつかご紹介します。この記事を読めば、転職前にどう企業を選ぶべきかが分かるでしょう。
転職時の企業選びのポイント ①企業の収益性
企業選びの第一ポイントは、その企業の「収益性」です。
でも「収益性ってどういうこと？」「そんな情報を普通の人が得られるの？」と疑問に思うかもしれません。
しかし、収益性はその企業の状態を知るために欠かせない情報です。
収益性とは？
簡単に言うと、収益性は「企業がどれだけ効率よく利益を上げているか」を示すものです。企業は集めた資本を基に売上を作り、そこから費用を差し引いたものが利益となります。
つまり、収益性が高い企業は、少ない資本でも大きな利益を生み出せる力を持っているということです。
この情報は、企業のホームページや業界専門の情報誌「会社四季報」などで調べることができ、同業他社と比較することで、その企業の優劣を判断することができます。また、収益性の指標は比率で表されるため、企業の規模に関係なく比較が可能です。
さらに、時間の経過による業績の変動を見れば、その企業が成長しているのか、それとも業績が悪化しているのかも把握できます。転職先として、安定した成長を続けている企業を選びたいですよね。
転職時の企業選びのポイント ②企業理念
次に注目すべきポイントは「企業理念」です。
企業のイメージを強調する広告のキャッチコピーと混同しがちですが、企業理念はそれとは異なり、会社の価値観や経営方針を社内外に示すためのものです。
企業理念とは？
企業理念とは、会社がどのような考え方に基づいて運営されているかを明確にしたものです。
この指針は企業のホームページやパンフレットなどで確認でき、人で例えるならば「私はこういう人間です」と自己紹介するようなものです。転職する際には、これから働く企業の特徴を知ることは重要ですよね。
ただし、企業理念だけがその企業を完全に表すわけではありません。素晴らしい理念を掲げていても、実際の経営や企業文化が自分に合うかどうかは別問題です。そのため、理念を一つの判断材料として、さらに詳しい情報を得る必要があります。企業理念は企業理解の第一歩と捉え、他の要素とも合わせて検討するのが良いでしょう。
転職時に重要な企業選びのポイント ③事業内容
企業選びの3つ目のポイントは、事業内容です。
転職活動では、企業の事業内容を理解することが非常に重要です。自分のスキルや経験をどこで活かせるのか、あるいは新たに挑戦してみたい分野が見つかるかどうかが、企業選びの鍵となります。自己成長のために興味を持てる分野を見つけ、前向きな気持ちで選ぶことが大切です。
事業内容の確認方法
事業内容とは、企業がどのような仕事に取り組んでいるかを示すものです。企業のホームページなどでその企業がどのように利益を上げているのか、どのような業界で活動しているのかを簡単に調べることができます。自分のこれまでの経験や興味、あるいは新しい分野に挑戦するかどうかを判断しながら、優先順位をつけて選ぶことがポイントです。
自分に合った事業内容の見極め方
多くの人は、これまでのキャリアと関連のある事業内容の企業を選ぶ傾向にあります。履歴書や職務経歴書には、企業名だけでなく具体的な商品やサービス名も記載することで、面接官に自分の実績をアピールしやすくなります。異なる分野にチャレンジする場合は、自分の強みと弱みを振り返り、将来性や離職率、未経験者を受け入れているかなど、業界の特徴も考慮することが必要です。
転職時に重要な企業選びのポイント ④組織文化
企業選びの4つ目のポイントは、組織文化です。良好な組織文化は社員のやる気を引き出し、生産性を高める要素となります。働きやすく、やりがいを感じられる職場環境を築くためには、組織文化が重要な役割を果たしています。
組織文化を評価する方法
まず、自分に合った組織文化を知るためには、これまでの職場での経験を振り返り、どのような環境が苦手だったか、逆に心地よかったかを考えることが大切です。企業の働き方や取り組み、経営者の価値観など、組織文化は多様な要素から成り立っています。企業のホームページや求人情報には、会社の雰囲気を知るヒントが隠されていることもありますし、口コミサイトで社員の声を聞くことも一つの手です。
面接時に企業文化や働き方について質問することで、さらに深い理解を得られるでしょう。また、社内研修や社員同士の交流活動、飲み会や社内イベントの有無も、企業の文化を知るための重要な指標となるかもしれません。
転職時に重要な企業選びのポイント ⑤仕事内容
企業選びの5つ目のポイントは、実際に行う仕事内容です。
前述の事業内容に関連して、具体的にどのような業務を担当するのかを確認することが大切です。面接時には、希望する業務内容をしっかりと伝えられるよう準備しておきましょう。自分に合った仕事かどうか、やりがいや成長機会を考慮しながら選ぶことが成功のカギとなります。
仕事内容を選ぶ際のポイント
仕事内容を選ぶ際に重視すべきことは、自分のスキルや得意分野、興味を持っているかどうか、そしてやりがいを感じられるかどうかです。仕事を続ける上でモチベーションの維持は非常に重要です。自分に合わない、やりたくない仕事を続けていては、意欲が下がる一方です。
全く未経験の分野に挑戦することもありますが、自分の強みを活かせる業務を選ぶ方が、転職後の成功率は高くなります。新しい職場でどのような仕事をしたいのか、転職の目的を明確にして、しっかり考えることが大切です。
転職時に重要な企業選びのポイント ⑥職場の人間関係
企業選びの6つ目のポイントは、人間関係です。
人間関係は、仕事をする上でとても大事な要素です。転職の理由として、人間関係を挙げる人は少なくありません。どれだけ自分に合った仕事でも、職場の人間関係が悪ければ、働きやすさや満足度が大きく低下してしまいます。
職場の人間関係を知るための方法
職場の雰囲気や人間関係については、インターネット上の口コミサイトなどで事前に情報を調べることができます。実際に働いている人の声を参考にすることで、少しでも職場のイメージをつかむことができます。ただし、事前の情報がすべて正確であるとは限らないので、自分自身がどうコミュニケーションをとるかも重要です。
人間関係は自分の姿勢によっても変わることがあります。新しい職場で、前向きに人間関係を築く覚悟を持ち、積極的にコミュニケーションを取ることで、より良い環境を作り上げることができるかもしれません。人間関係は、仕事を続けていく上で欠かせない要素ですから、入社前にもできるだけの準備をしておくことが重要です。
転職時に重要な企業選びのポイント ⑦通勤や職場環境
企業選びの7つ目のポイントは、通勤時間や職場の環境です。
通勤にかかる時間は、転職を考える際に見逃せない要素です。長い通勤時間は、体力を奪い、貴重なプライベートの時間を減らしてしまいます。新しい職場を選ぶ際には、通勤の負担をしっかりと考慮することが大切です。
さらに、職場の施設環境も大事な点です。清潔さや安全性に加え、職場の雰囲気も働きやすさに大きく影響します。福利厚生の一環として提供される施設も確認してみましょう。
理想的な通勤時間について
理想的な通勤時間については、人それぞれ異なりますが、調査によれば約40%の人が「30分以内」が理想と答えています。多くの人にとって、通勤時間が短ければ短いほど負担が減り、仕事への集中力や生活の質が向上します。1時間を超える通勤時間は避けたいと考える人が多いでしょう。通勤時間も生活の一部として有効に活用する工夫が、転職先を選ぶ際の重要なポイントとなります。
職場環境の確認方法
職場の環境については、企業のウェブサイトなどから情報を得ることができますが、実際にその場に足を運んで雰囲気を確認するのが一番です。例えば、清潔さや明るさ、働きやすいレイアウトなど、見逃しがちな要素が精神的な影響を与えることもあります。
近年では、社員のモチベーション向上を目的に、ユニークな施設や快適な環境を提供する企業も増えています。自分に合った働きやすい環境を見つけるために、職場環境もチェックしておくと良いでしょう。
転職時に重要な企業選びのポイント ⑧給与と休日
企業選びの8つ目のポイントは、給与や休日などの労働条件です。
給与はもちろん、十分な休暇が取れるかどうかも重要な要素です。自分の働き方に合った条件であるかどうか、しっかりと確認することが求められます。
給与の変動について
厚生労働省のデータによると、転職後に給与が増加した人は34.6%、減少した人は35.2%、変わらなかった人は29.0%という結果が出ています。特に「1割以上の増加」が23.7%に対し、「1割以上の減少」が26.3%となっており、転職が必ずしも給与の増加を保証するわけではないことがわかります。給与を重視するかどうかは人それぞれですが、転職を決断する前にしっかりと条件を確認し、納得のいく選択をすることが重要です。
休日の確認方法
休日については、年間の休日数を確認することが労働環境を知る手がかりになります。労働基準法により最低限の年間休日は「105日」と定められていますが、ほとんどの企業は週休2日制を採用しており、平均的な年間休日は「120日前後」とされています。もし、年間休日が少なすぎる場合は、社員が十分な休息を取れない環境である可能性もあるので注意が必要です。「年間休日が120日前後」であることを基準に、転職先を選ぶ際の参考にしてみてください。
転職時に知っておきたい企業選びのポイントまとめ
① 会社の収益性
企業の収益性を確認することで、その会社の経営状況を把握できます。
② 企業理念
企業理念だけですべてがわかるわけではありませんが、企業を選ぶ際の一つの目安になります。
③ 事業内容
同じ業界で転職するなら、これまでの事業経験をしっかりアピールしましょう。異なる業界を目指す場合は、その業界の特徴を理解しておくことが大切です。
④ 組織文化
自分に合った組織文化を見つけることが重要です。面接時に社風について直接質問するのも一つの方法です。
⑤ 仕事内容
これまでの経験や得意分野に基づいた仕事内容を選ぶことがポイントです。
⑥ 人間関係
転職時の最も重要な要素の一つが人間関係です。口コミや評判を調べ、社内の雰囲気をつかんでおきましょう。
⑦ 通勤や職場の環境
通勤時間は30〜60分が理想です。職場の施設環境は、実際に訪れて確認するのがベストです。
⑧ 給与と休日
給与が減る可能性も考慮しましょう。年間休日は120日前後が一つの基準となります。
今回、「転職前に押さえておきたい企業選びの8つのポイント」をご紹介しました。転職で成功するためには、しっかりとした情報収集と自己分析が欠かせません。どの点を最も重視するのかを考えることが重要です。
すべての項目が完璧にそろった企業を見つけるのは難しいかもしれませんが、この内容を参考にしながら、自分にとって大切なポイントと譲れる部分を整理し、納得のいく選択をしていただければと思います。
